「科学っておもしろい」と思ってもらえるようにする
ミセルリカの理想は、「科学っておもしろい!」と思ってもらえる社会を作ることです。しかし、現状では科学に対して「難しい」「自分には向いていない」という印象を抱き、それが原因で科学を避ける人も少なくありません。象徴的な例として、小学生で「理科が好き」と答えた児童は約80%に達する一方、高校生になるとこの割合は約40%にまで減少します(※)。この現象の原因は主に2つあると考えられます。
1つ目の原因は、学年が進むにつれて内容が抽象的かつ難解になり、多くの学生が興味を失ってしまうことです。この原因に対する解決策として、「わかりやすさを追求する」ことが挙げられます。大手予備校講師としての経験を持つ西園寺は、科学の専門用語や複雑な概念を、誰にでも理解できる形で伝える技術に優れています。
もう1つの原因は、理科の勉強が将来社会で役立つものだと認識されていない点です。事実、2012年に国立教育政策研究所が実施した『平成24年度全国学力・学習状況調査』によれば、中学生の「理科の授業で学習したことは将来社会に出たときに役に立つ」との回答割合は53%で、国語や数学を下回る結果となっています。この課題に対しては、「科学を魅力的に伝える工夫」「日常で科学が役に立っていることの例を的確に示すこと」が欠かせません。
具体例として、実験や観察を活用した体験型学習や、科学イベント、広報活動が挙げられます。これらの取り組みを通じて、科学の魅力を伝え、興味を持ってもらうきっかけを提供していきます。
(※)データとしては少し古いですが、加藤 巡一. 理科教育と理科離れの実態(3)高校生・まとめ. 研究紀要. 人文科学・自然科学篇 = Shoin review / 神戸松蔭女子学院大学宮本(憲)研究室 編. (50) 2009,p.65~80.
が興味深いです。性差についての言及もあります(上記割合は男子の方になります)。
地域間の教育格差を無くしていく
近年問題になっているのが地域間の教育格差です。医学部受験においても例えば新潟大医学部に進学した方の出身都道府県は60%〜70%程度が県外の方です(JPCAPの2024年度のデータによれば新潟県から新大医学部に進学したのは32.9%。なお、東京・群馬・埼玉・神奈川県からの進学者を合わせると39.2%)。地域枠が拡充していますが、地域の方がなかなか受かりにくいというのが現状です。
「都会が勝ち組、田舎が負け組」となってしまう世の中はあまり面白くありません。
ミセルリカ(並びに代表の西園寺)は地域での取り組み、オンラインでの取り組みを通じて教育格差を積極的に是正するようにします。
デジタルネイティブな現代人に合う教育をする
周りの教育は進歩しているでしょうか?もしかすると、まだ進んでいないかもしれません。
デジタルでやれることはやっていったり、ChatGPTやAIなどを利用した教育を検討したりというのも大切だと思います。
もちろん古くから続くもので良い教育というのもありますし、全部がデジタルデバイスで完結する必要があるとは思っていません。例えば計算とかは紙と鉛筆でやる方がより成績の定着が図れるという研究結果もあります。また、AIを利用しているところはまだまだ課題があるように感じます(デジタルでやる結果、「学習の面白さ」が感じられないと意味ないので無理してAIを活用するのは推奨しません)。
しかし、日々教育の仕方・思想をアップデートしていくことでより良い教育をするように努力し、必要に応じて「上手に活用する」というのが大切なのかなと思います。つまり、時代の潮流を担う人材育成のためにさまざまな内容を教育者を検討し、そのために教育者自身も勉強が欠かせないのです。
自分で学習できるようにする
私たちミセルリカが理想とするのは「生涯を通して自分で勉強できるようにすること」です。
それには勉強の面白さが重要かもしれません。
私(西園寺)が大学で面白かった勉強は、ゼミでした。基本的に自分で勉強するのですが、わからなかったことを他のメンバーと一緒に議論するのが非常にためになりました。
教育でもティーチングだけではなく適宜コーチングも取り入れるのが良いのかなと思います。
ティーチング:ある内容について講師が生徒に対して、その内容が身につきやすいようにわかりやすく伝えること。ティーチングは経験・技術がないと大変なので地方にはあまり向いていないと思います。
コーチング:ある内容そのものを伝えるというよりは、問題解決を並走して行い、最終的に自走を目指すこと。